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2018.5.10

  • 執筆者の写真: yuko kanamaru 青波日記
    yuko kanamaru 青波日記
  • 2018年5月13日
  • 読了時間: 2分

7月号の「東京人」でごくごく小さな太宰コラムを書くために「斜陽館」へ電話する。取り次いでくれた方が学芸員さんに向かって「東京の出版社の人が話ッコ聞きたいっていって」と言っているのが聞こえて微笑ましい。津軽育ちの家族に話すと、津軽では「お茶っコ」「飴ッコ」のように小さくて可愛いものとか、大切なものに「ッコ」をつけるそう。2度目か3度目の青森への旅で、駅 の切符売場でネッカチーフをかぶったおばあさんが駅員さんに「わずか迷惑だけどもさ、チップッコけねか(切符をくださいませんか)」と喋っているのを聞き取れなくて、家族から「ものすごく丁寧に、切符をくださいませんか」と言っているのだと教えてもらった。三十年以上も前のことなのに忘れていない記憶もあるのだ。



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バーテンダーで料理家でもある藤村公洋さんに監修をしてもらっって、「日経おとなのOFF」7月号でウイスキーのページを作る。その撮影を池袋北口のバー「FULL HOUSE」で。馬蹄形のカウンターに惚れ惚れ。藤村さんの話はシンプルで自由でとても好感が持てる。撮影の合間に聞いた日本のバーテンダーの系譜がとてもおもしろかった。そういえば家のどこかにあるはずの『バー・ラジオのカクテルブック』を探さなきゃ。バーの本、作りたいな。



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昨日は玉川奈々福さんの浪曲を聞きに群馬県みどり市大間々にある「ながめ余興場」へ総勢6名で出かける。昭和12年築の「ながめ余興場」は、愛媛県の内子座のような古い演芸場の様式を基本に昭和初期のモダンなディテールが加えられたとても素晴らしい建物だった。奈々福さんは、10年ちょっと前にこの建物に惚れ込み、ここで口演することを夢見てきたのだそう。「浪花節更紗」の主人公・浪太郎と奈々福さんの浪曲への一途さが重なって、涙があふれる。口演前の腹ごなしに入った「双葉食堂」でご当地名物「ソースカツ丼」、帰りは北千住「永見」にて看板メニューの「千寿揚げ」「鳥軟骨つくね焼き温泉卵つき」などをいただく。こういう酒飲みの聖地が健在な街が羨ましい。




 
 
 

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